2013年5月18日土曜日

本当は喜びたいんです。

和歌山の玉ねぎ。

収獲真っ盛りです。

ここの玉ねぎは特に味も品質もいいと評判です。

今年は生育が順調で、特に数日前に一雨ふた雨あって、ぐんと玉の肥大がすすみ、おかげで収穫量が増える見込みです。

立派なもんです。

明日からまたちょっと雨が落ちるかもという予想もあり、そうなるとさらに玉は大きくなるんじゃないか、ということです。

そして、その状況を教えてくれた方の口から出たのは、ため息でした。


本当はこの状況を喜びたいんです。

特に去年は大不作だったから、なおさら。

でも。

今年は今のところ、豊作を喜べないのです。

なぜなら、不思議なほどに、玉ねぎが売れていないから。

それは、全国的な現象のようです。

ここの産地はそんなに極端に量が増えたわけじゃありません。


理由はいろいろあると思います。

南の産地が量が多いのか、北の産地の量がまだ相当あるからか。

はたまた、大不作だった年に入荷が増えた、海の向こうとの事情なのか。

そもそも、食べる量が減っている?

そんな目に見える単純な理由ではないのかもしれません。


ただ、こちらの玉ねぎは、世の相場とはちょっと距離をおいているので、こんな年こそ、つまりこんなに相場が安い時こそ、集荷する方は踏ん張りどきなのです。

今年だけの話ではないからです。


安い年だって高い年だって、玉ねぎの味は変わりません。

むしろ安い年こそ、品質がよいことの方が多いです。

熱心に特別栽培に取り組んでいる高橋さん。
ここでは、一つ一つ全部手作業です。

店頭にいつもと同じ顔で並んでいる、平凡な玉ねぎ1袋の後ろには、いつもたくさんの誰かがいるのです。


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