2013年2月11日月曜日

何者



気づいたら朝の5時でした。

久しぶりです。

寝る前にチラッと目次でも読もうかと1ページ目を開いたら、そこには目次はなく、かといって、文章でもありませんでした。

さらに1ページめくり、引っ張られるようにさらに1ページめくり、めくり、めくり、、、いつの間にか朝になっていた、という感じです。

ちょっと前に酔っ払って深夜まで開いている本屋で衝動買いしました。


僕は今年で就職15年。

どうやら特別休暇ももらえるようです。

15年。

これもまた、あっという間です。


今は「シューカツ」というらしいけれど、僕らの頃にはそんな表現はありませんでした。

僕らの頃もかなりの就職難で、就職活動中に仙台の銀行が経営破綻し、内定が決まっていた学生に新聞社が取材に来たりしていました。

その銀行が破綻した同じ月には、北海道拓殖銀行や山一證券なども破綻してしまうという、大変な年でもありました。


でも、僕はいろんな意味で、就職活動をしていた日々が、とても楽しかった。

あんなに自分に真正面から向き合ったのは、今までの中ではたぶんあの時が一番です。


同じゼミの友達と合同説明会に行ったり、情報交換をしたり。

東京にも一人ではるばる行きました。

東京の説明会では「早稲田大学ナントカ学部の●●です」「明治大学ナンチャラ学部の●●です」みたいに我先にとみんな質問していて、マジかよ早稲田だってすげえな、やっぱり東京だなぁなんて思っていました。

ディーラーとか、先物取引とか、銀行とか、コピー機メーカーとか、書籍卸とか、スーパーとか。

いっぱい落ちたなぁ。

あるときは、内々定者への説明会終了後、内々定者80人いる中から、僕を含めた5人だけがこっそり呼ばれて、人事部長さん行きつけのスナックに連れて行ってもらったりもしたなぁ。

なんとたまたまその5人のうち4人は同じゼミで一緒に就職活動をしていた仲間達で、そして大変申し訳ないことに、その時の4人ともその会社をお断りしたんだったなぁ。

あの時がもしかしたら生まれてはじめてのスナックだったんだなぁ。


教職をとっていたので、就職活動の合間に、母校へ教育実習にも行きました。

先生なんて呼ばれてくすぐったいのなんの。

みんな素直な高校生たちでした。


いっぱしの理屈や理想を語って、20歳を過ぎて、一人前の大人のつもりでも、学生は学生。


就職活動は、初めて、本気になって正面から自分と向き合う、そんな活動でした。

社会の入り口に立つための、人生の入試でした。

思春期のような青い自意識過剰の内向きの対峙ではなくて、客観の目も持ちながら向き合う。

答えはそれぞれの内側にあって、それは誰も教えてはくれませんでした。


高校時代の恩師に年賀状で就職先が決まったことを報告すると、数日後に来た年賀状には一言。

「これからが人生よ」


今はその言葉の意味がよく分かります。

とはいえ、まだまだ、たった15年ぽっちですが。

あと15年してこの日記を読み返してみたら、53歳になった僕は「青いねぇ、でもいいねぇ。」なんて思うのだろうなぁ。


いろんなことを思い出してしまいました。


「何者」。

この作家の存在を教えてくれた人に感謝したくなるような、痛々しくて、最高の青春小説でした。

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