2010年7月6日火曜日

餃子のおいしい、喫茶店?

前から行きたかったお店に行きました。
店の名は「アップル」。
東北一の歓楽街「国分町」から一区画外れた住宅街の中にある小さな店です。

外から見ると、かなりの年月を経た、古い老舗の喫茶店かスナックのようです。そしてその外観に似つかわしくない「餃子」の看板。
7年前、私がまだこの地域の配達担当でこのあたりをぐるぐるまわっていた頃、気になって気になって仕方がなかった店です。

この「アップル」は、創業39年、宮城のタウン誌で餃子特集があるときは必ず出てくる、超老舗の餃子専門店。その人気は、仙台で一番おいしい!という人もいるほどです。

店に入ると、そこは、一気に昭和。
店内はスナックのように、8席ほどのカウンター席があるだけ。
壁にはチェッカーズが来た時の写真。昭和60年。みんな若い。「あの娘とスキャンダル」を歌っていた頃ですね。

小さめサイズの餃子に、細かく刻まれた具がたっぷり。パリパリの皮との相性もよく、こだわって使われた国産のにんにくの香りがふくよかに香り、とってもおいしいです。

「アップル」という餃子店らしからぬ店名は、「電話帳のトップに来るから」だそう。アート引越しセンターよりも先行ってたんだよ、と笑うご主人。聞けば、転勤で仙台に赴任したときに一念発起、なぜか脱サラし突然餃子屋さんになったんだそう。修行は宇都宮で2日のみ。おおっ。

カウンターの小瓶に入ったラー油は、普通のラー油とは違い、辛いだけじゃなく、不思議においしい。
ご主人にそう言うと、カウンターの下から、秘伝のラー油を出し見せてくれました。39年前から一度も空にしたことがないラー油の鍋は真っ黒。39年かけて作られ、守られてきた味は、まさに「アップル」の味そのもの。
深い深い辛味なわけです。

宮城県の村井県知事もよく来るそうで、酔っぱらうとかわいいんだぁ、と笑っていました。

初めてなのに懐かしい、ほっとするこの空間は、ご夫婦お二人で39年かけてつくられたのでしょう。
餃子も、ラー油も、話も、空気もおいしい餃子屋さんでした。

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